【言葉の意味】演劇と芝居と舞台の違いについて考える

演劇に興味のある人
「演劇と芝居と舞台の違いが分からない。なんとなく全部同じ意味に思える。yahoo知恵袋とかでも調べたけどみんな答えが違うし、どれが本当なのかわからない。しっかりと根拠のある説明をしてほしい」

とういう疑問にお答えします。

本記事の内容

演劇と芝居と舞台の違い
じゃぁ演技ってなに?

よく聞かれます。本当に。
「演劇を観にいく」「芝居を観にいく」「舞台を観にいく」どれも同じ意味じゃないんですか?と。
どれも同じ「観劇に行く」という意味です。

でも、この三つの単語の意味は違います。

「ん?どういうこと?」と思いますよね。
でも分からなくて当然。

だって役者の中でも「わからないまま使ってる人」が居るくらいですから。
知らないと恥。ではなくむしろ、ちゃんと理解して使い分けておくと一目置かれることでしょう。

何度も聞かれるうちに、僕自身も調べ、そしてたどり着いた「演劇」と「芝居」と「舞台」の違い。
これを解説していこうと思いますので、ご覧ください。


演劇と芝居と舞台の違い

演劇と芝居と舞台の違い

舞台は場所

まず、「舞台」というのは、演劇をする場所です。

ここ

ですから「舞台を観にいく」というのはすこし洒落のきいた言い方で。
嵐のコンサート観にいくのに「相場君に会いに行ってくる」て言うのと同じ感じです。
・・・。分かりづらかったら忘れてください。

とにかく、舞台は本来は場所を表す言葉。
それが転じて、演劇をさす言葉でも使われるようになったんです。


芝居は動作

「あいつは芝居が下手or上手だ」といいまずが「あいつは演劇・舞台が下手or上手だ」とは言いませんよね。
芝居とは、役者の演技のことをいいます。

とはいえ、「芝居」という言葉も転じて演劇をさす言葉でもあります。
これは芝居という言葉の由来に起因するんですが。

芝居ってもともと「芝生の上に座っている(居る)事」をさす言葉だったんです。
室町時代に大衆演劇が盛んになり、お客さんが芝生を柵で囲った席に座るようになり、そこから
「客席の事」を指す言葉になりました。

さらにそれから演技を指す言葉になり、いま、演劇を指す言葉に代わりつつあります。

芝居という言葉が一番ややこしい・・・。
演劇用語というより、お客さんの方から生まれた言葉なだけに、いろんな使い方をする便利な言葉なんですね。

ですから芝居は、「芝生に座る」⇒「客席」⇒「演技」、「演劇」というようにいままさに、意味が移って行く途中の言葉なんです。


演劇は演劇

最後に「演劇」という言葉についてですが、これは
何らかの物語や人物などを、演じる芸術のこと。を指します。

つまり「芝居を観にいく」「舞台を観にいく」というのは「演劇」を指していたんですね。

・・・。まだ良く分からない。
「演劇」という言葉は、さかのぼると元は天保7年(1836年)から存在する言葉でした。
しかし耳なじみが無くその頃みんな演劇なんて単語知らなかったんですね。
知らないから「舞台上で演じる芸術」をなんと表せばいいか分からず、みんな「芝居」とか「舞台」と読んでいたんです。

明治に入って「演劇改良運動」というものが起こりまして、
もっと演劇を自由にやろう!という運動です。
これを通じて、「演劇」という言葉が市民権を得ていきました。

じゃぁ、芝居と演劇という言葉は結局一緒なの?
現状は意味はぐちゃぐちゃなままじゃない?
という方もいるでしょう。

しかし、言葉は時代とともに変わっていきます。
次からは僕の解釈で、これからこの言葉たちがどうなっていくのかの予測と提案をご紹介します。


これからは「時代」で呼び方が変わる

「舞台を観にいく」というのは言葉遊びの言い方であるとして。
「芝居」と「演劇」の明確な違いはなんでしょうか。

僕は時代にあるんじゃないかと思います。

歌舞伎や狂言、など、昔からあった芸能の事を「演劇」とは呼びづらい

それは言葉の歴史にあると思います。古くから「芝居」と呼ばれてきたものを「演劇」と言いなおす抵抗がありますよね。
「大化の改新」を意味が同じだからって「大化のリフォーム」とは呼ばないでしょ。
歌舞伎に関しては正式名称が「かぶき芝居」ですし。「芝居」と呼んだほうがしっくり来ます。

明治以降の舞台上で演じる芸術を「演劇」と呼ぶ

逆に海外の作品を「芝居」と呼ぶのは少し抵抗があります。
シェークスピアの作品は「演劇」と呼ぶし、いま現代で行われているものも、若い人は「演劇」と呼びます。

こう考えると、これからは時代によって言葉を使い分けるべきではないでしょうか。

加えて、時代で使いわけされている演劇用語はすでに存在します。
現代劇と時代劇という言葉を聞いた事があるでしょうか。
時代劇とは、明治以前を舞台にした劇のこと、現代劇は明治以降、演劇改良運動後の劇を指す言葉なんです。

それまでは芝居といえば「歌舞伎」がスタンダードでした。
しかし、明治にはいってから、もっとカジュアルな「普通の話し言葉で、普通の服でやる新劇」が生まれたのです。

用語に関しては以前まとめた「こんなに種類があるの!?演劇のジャンル一覧」をご覧ください。

演劇の歴史は明治時代に大きく変化しています。
そう考えるとやはり、時代で区別するのが、現実的だししっくりくるのではないかなと思います。


じゃぁ演技ってなに?

これは説明が難しくなりますので、わざわざ読まなくて大丈夫です。
役者を志す人はすこし考えておいたほうがいいと思いますが。

「芝居」の説明に「演技」という言葉が出てきました。
じゃぁ「芝居」と「演技」って同じ意味なの?
といわれると、これもまた少し違います。

芝居とは、観客が役者に向ける言葉
演技とは、監督や演出家が役者に向ける言葉

だと僕は思っています。

意味は同じですが、立場で違う。
もっというと、芝居は観客に向けてですからその意図は観客それぞれの解釈があります。
しかし、演技は演出家が「ああしたいこうしたい」という意図に沿って作られますから、それぞれの解釈というのはありません。

人をだます事を「芝居を打つ」といいますよね。
役者の意図(手の内)は「だまそうとしている」ですが、それを相手に知られていたら成立しません。
役者の手の内を知らない状態で観るのが芝居なのです。

「演技指導」という言葉があります。
それぞれで解釈が異なっていたら「指導」なんて出来ませんよね。
指導者の意図に沿って行われていくべきです。

言葉では難しいですよね

まとめると
物語の結末、キャラクターの真意を知っている状態で観るのが演技。
知らない状態で観るのが芝居。

文章で伝えるのは難しいですが、なんとか伝わればいいな・・・。

そいうことで、そろそろ終わろうかと思います。
舞台と芝居と演劇の違い、そして芝居と演技
なんとなく分かったでしょうか。

ぜひ、誰かに自慢してみてください。
分からなくなったら、またここを見てもらえれば、追記で補足説明してるかもしれません。
読んでいただき、ありがとうございました。