【朗読入門編】朗読におすすめの短編作品10選【探し方】

朗読におすすめの短編作品を探している人
「朗読におすすめの短編作品を探しています。どんな題材が朗読に向いているのか分かりません。どこで探せば良いのかも知りたいです。朗読初心者なので分かりやすく教えてください」

という疑問にお答えします。

本記事の内容

本の選び方・探し方
おすすめ短編作品10選

僕は昔から朗読が大好きで、よく朗読会などに行って聞いたり、参加したりしています。
たまに参加者の方から「一番良い朗読ってなんですか?誰の朗読ですか」と聴かれることがあります。

大抵は、「自分が好きだと思ったらそれが一番ですよ。僕は両親に読んでもらうのが一番好きです」
と答えます。それが僕なりの答えですが、答えは人それぞれ違います。
この答えが全世界共通では無いわけです。

朗読に正解はありませんが、コツはあります。
読み方・題材・声質の三つです。
このコツについては「【もっと素敵に読む為に】朗読を3つの柱で考えた【朗読のコツ】」で紹介するとして

今回は朗読にお勧めの短編作品をご紹介します。


本の選び方・探し方

読みたい本を読むのが一番

朗読で用いる題材は好きならなんでもいいんですが、読みやすいものとそうでないものがあります。

難しい内容の本は避ける

極端な話、六法全書も読めば朗読になりますが、内容を理解してもらうのはなかなか難しいでしょう。
専門用語や機械的な言い回しに聞き手の耳が慣れないからです。

文章を一部改変したり、間の取り方や感情である程度の工夫はできるでしょうが、読む難易度はかなり高いと思います。
なので文章が硬い夏目漱石や森鴎外などは、初めのうちの朗読には不向きでしょう。
逆に宮沢賢治や太宰治などは分かりやすくすっきりした文体なので初心者向けです。

登場人物が多い本は難しい

朗読で重要なのは、台詞です。「」の中の文章は、キャラクターの台詞ですから、キャラごとに読み分けないといけません。
同じ「おはよう」でも、落ち込んでいるのか、うれしそうなのか、元気な女の子が言ってるのか、落ち着いた青年が言っているかで大きく変わってきます。

これらのキャラクター像を登場人物ごとに作っていかなくてはいけません。
ある程度の読み込みと技術が必要です。

ですので、初めは登場人物が少ないもの、出てきても1~3人以内のものを選びましょう。
そして出来れば読み手と同性のキャラが出てくるものがいいでしょう。

自分の声質に合っているか

たとえば快活で甲高い声の女性が松本清張の「ゼロの焦点」のようなくらい本を読むのは、すこしもったいない気がします。
意外性があって面白いんですが、初めに手を付けるべき本ではないでしょう。

いろんな本をよんで自分に合った作品にであったら、その作品をより深めたり。同じ作者の本を探してみたりするものです。
この「自分に合った作品」というのは、読み手の雰囲気や声質と、作品のイメージがマッチした本のことをいいます。

自分に合った作品は朗読を続けていればいつかめぐり合うとは思いますが、あらかじめ自分のタイプを把握しておくとより探しやすいでしょう。


本の探し方

著作権は、権利の無い人がそれを許可無く商用に用いたり、無償でも公の場で使う事を禁止するものです。
著作権のある本は使用申請が必要になります。

申請にはお金がかかりますから、まずは、著作権の切れた作品を主に用いるのが安全でしょう。

「青空文庫」では著作権の切れた著書を無料で公開しています。
この中の作品なら商用に用いても、改変しても大丈夫です。

作品自体は50年以上昔のものですが、芥川龍之介や江戸川乱歩など有名な作家の作品が多く掲載されています。
まずはこの中から探してみるといいでしょう。

次はいよいよ、おすすめ本の紹介です。こちらも青空文庫ですぐに読めるものを厳選してご紹介します。


おすすめ短編作品10選

蜘蛛の糸

作者/芥川龍之介
登場人物/男1女0
読みやすさ/★★★
芥川龍之介の代表作
登場人物はお釈迦様とカンダタの二人ですが、お釈迦様はしゃべりませんので、しゃべるのは盗賊のカンダタだけです。
12分ほどで読みやすく、有名な作品だけあって、声優さんや俳優さんなど、参考になる朗読が調べれば聞くことが出来ます。

汚れつちまつた悲しみに・・・

作者/中原中也
登場人物/男1女0
読みやすさ/★★★
これは詩ですね。中原中也の有名な詩の一つです。読むと3分もありません。
短いですから退屈しませんし、練習もしやすいでしょう。
また、アニメの影響か声優さんの朗読音源も多いので参考資料が豊富です

長靴をはいたねこ

作者/シャルル・ペロー
登場人物/男4女1
読みやすさ/★★★
猫も一応男のほうに入れていますが、童話なのでどちらかというと女性向けの題材でしょう。
文章自体はひらがなが多く読みにくいので、漢字に直したりいまどきの言い回しにかえる手間がかかります。
しかし、それさえしてしまえば、あとはポップな世界観にあわせて読んでいけば自然と面白くなっていくでしょう

杜子春

作者/芥川龍之介
登場人物/男5女0
読みやすさ/★★★
読むと30分ほどかかりますが、話が面白いので退屈はしないと思います。
登場人物が多いですが全員男で年齢もみな違いますので、読み方の工夫しだいです。

作者/芥川龍之介
登場人物/男2女0
読みやすさ/★★★
朗読すると30分ほどの長さの作品です。これも話が面白い。
話が面白ければ多少読み方に違和感があってもお客さんは聞いてくれます。
まずは話の面白い作品から読んでみるといいかもしれません。

走れメロス

作者/太宰治
登場人物/男5女0
読みやすさ/★★☆
全て読むと45分くらいでしょうか。登場人物は多いですが、一言しか話さないキャラも居ますので、実際明確にキャラクターを分けるのはメロスとフィロストラトスとディオニスの三人になるでしょう。
文体的に感情がこめやすい作品ですが、有名すぎて結末をほとんどの人が知っているので何かしらのアレンジは必要です。逆に言えば読み手の色を出しやすい題材でしょう。

葉桜と魔笛

作者/太宰治
登場人物/男1?女2
読みやすさ/★★☆
太宰治のある姉妹を描いた作品です。
妹が死ぬ少し前の話、姉は病弱な妹がこっそり男の人と文通している事を知ります。しかし、相手の男は妹の体のことを知ると、それから連絡をよこさなくなってしまったのです。
姉はそれを哀れに思って、優しいうそをついてしまいます。朗読すると35分ほどかかります。しかしとにかく内容がすばらしく、ぜひ女性に読んでほしい作品です。
男の手紙を読むシーンは男声で読むか、姉の声で読むかは読み手で工夫してみてください。
また、太宰の作品は句読点が息継ぎのポイントで入っています。句読点を意識して読むとそれだけで聞き手をひきつけます。

野ばら

作者/小川未明
登場人物/男2女0
読みやすさ/★★☆
小川未明作の童話です。
童話と言っても、大人向けというような感じで、登場人物は男性2人だけ。時間も8分程度の短い作品です。雰囲気や結末がすこし異質なので、読む人を選ぶかもしれません。

夢十夜

作者/夏目漱石
登場人物/男1女1
読みやすさ/★☆☆
字の文は男性(漱石)の一人語りなので男性向けの作品です。しかし、女性も出てきます。
男女の読みわけという面で難易度は高めです。
異性の台詞だけ別の方に読んでもらう「群読」という形でやるのもいいでしょう。

檸檬

作者/梶井基次郎
登場人物/男1女0
読みやすさ/★☆☆
作者の日記のような作品です。これも字の文は作者の一人語りです。
感情がこめやすく、言葉遣いも現代的なので読みやすいでしょう。ただし終始一人が足りなので変化の付け方に工夫が必要です

いかがだったでしょうか。
青空文庫にはもっともっと良い作品がたくさんありますので、ぜひ自分で探してみてください。
また、面白い作品や、青空文庫以外のサイトがあれば教えてください。

それでは、まずは一人で練習。ある程度できたら家族や知り合いの前で読んで見ましょう!