【演技の話】うそ臭い演技を改善しよう【棒読みからの卒業】

うそ臭い演技を改善したい人うそ臭い演技を改善したい人
「うそ臭い演技を改善したい。どうしても台詞が棒読みになってしまったり、普通に話しているのとは違う感じになってしまいます。上手い役者さんのように台詞を自然に言うにはどうしたらいいんでしょうか。教えてください」

という疑問にお答えします。

本記事の内容

なぜ棒読みになるのか
うそ臭い演技を改善しよう

うそ臭い演技というのは、「本当はそう思っていないだろ」っていう演技です。
「私(僕)のことキライになった?」と聞かれて「そんなこと無いよ」と返す台詞があったとします。

前後の話にもよりますが、この台詞を感情を込めない所謂棒読み。もしくは的外れな感情で言ってしまうと、お客さんは
「本当はキライなのかな?」とかんぐるわけです。つまりはうそ臭い。

めちゃくちゃ急いでいるシーンなのに動きがゆったりしているとか
やさしく諭す役なのに、早口で表情も硬い。とか

それが演出としてやっているならいいんですが、必要の無い違和感はお客さんの気を散らしてしまいます。
結果、お芝居をぼやけさせてしまうんです。

うそ臭い演技で困っている人は、いま紹介した問題にぶち当たっているんじゃないかと思います。

でも安心してください。改善できます。
それも結構簡単に。

まずはなぜ棒読みやうそ臭い演技になってしまうのかについて解説していきましょう。


なぜ棒読みになるのか

なぜ棒読みになるのか、それは台本を読んでいるから。
つまり自分の言葉ではないからです。

いつも一人称が「俺」の人が、台本に書いてある「僕」という言葉を使ったら
最初はそれだけで、もう気持ちが違和感でいっぱいになってしまい、後の台詞が入ってこなくなるでしょう。

違和感を持つのは「自分の言葉ではない」からです。
だから戸惑うし、自然な言葉としてでてきません。

結果、感情が入らず棒読みになってしまいます。
この問題の解決方法は二つあります。

1.自分の言葉にする
2.違和感を持たない

一つ目は自分の言葉にする。
自己紹介や自分についての説明をするときは、自信と度胸さえあれば棒読みになる事はありません。

たとえば、木村拓哉さんを思い浮かべてください。彼は台詞を自分の言葉として発信します。
役者はみんなそうなんですが木村さんはそれが顕著です。なにをやってもキムタクです。

つまり役をすべて自分にしてしまう。自分の言葉にしてしまう方法です。
もちろん木村さんも役作りはしていますが、それでも自分という存在が大きい役者さんです。


二つ目は違和感を持たない。
自分の中で「違うな・・・そうじゃないな」とささやいてくる自意識を味方につける方法です。
小日向文世さん等がそうです。自分の中に違和感が無いから、見ている人も違和感を持ちません。

もちろん、小日向さんのような演技を身に着けようと思ったらそれだけではなくさまざまな技術があるんですが。
いまは棒読みを改善するという事に集中しましょう。

次の章でこの二つの解決方法を解説します。


うそ臭い演技を改善しよう

二つの解決方法を先に書きましたが、詳しく解説しましょう。
最終的にこの二つはつながってくるんですが、まずはそれぞれで説明します。

1.自分の言葉にする

まずは自分の言葉に置き換えてみましょう。
一人称は自分がいいやすいほうに。台詞の語尾や言い方も自分がしっくり来る言葉に代えてみます。
方言が出る人は方言も入れて良いんです。

すると、最初より良いやすくなったと思います。
自分の言葉に近くなったからです。

自然に言葉が出るようになったら、今度は「なぜその言葉がでたのか」を考えます。
冒頭で例に出した、「私(僕)のことキライになった?」と聞かれて「そんなこと無いよ」と返す台詞があったとします。

なぜその言葉が出たのか
そもそも「キライになった?」て聞かれるということは何か不穏な事が二人の間で起こったんでしょう。
それに対してそっけなく「そんなこと無いよ」と返すのか、心をこめて「そんなこと無いよ」と返すのか。

なぜその言葉が出たのかを考えます。
そうすると感情は決まってきます。あとは「自分ならそういう感情のときどういう風に動くか。言葉を発するか」です。

心から「そんなこと無いよ」と言うとします。
相手を不安にさせてしまった事への負い目を感じるとか、悲しい顔をしている相手を慰めてあげたいとか
そういう気持ちで、抱きしめたり頭をなでたり、微笑みかけたり、元気付けようとふざけてみたり
いろんな演じ方があります。そこに不正解というのはありません。

しかし、問題なのは、「自分ならこんな事は言わない」という台詞にかち合ったときです。
自分の言葉にできない台詞。たとえばオカマの役。「俺はオカマじゃないから出来ません」と言ってしまえばそれまでです。

これを解決するのが、もう一つの解決法です。解説しましょう

2.違和感を持たない

違和感とは生理的、心理的にしっくりこない感覚。 周囲の雰囲気にそぐわず、食い違っている印象を受けること。
不自然ともいいますよね。

この状態が長く続くと、お客さんは集中力を切らしてしまいます。
お客さんに違和感を持たせないためには、自分が「違和感を持たない」ことです。

まずは登場人物を自分の中で作りましょう。
名前、生年月日、出身地、学歴、職歴、好きな色・食べ物・場所・物などなど・・・。
その人を自分の中で作るんです。どういう考えを持っているのかも創造しましょう。

そして、人物が自分の中にできたら、仲間内で一つゲームをして見ましょう。

まず、回答者一人、質問者複数人でわかれます。
人物、仮に「ジョン」という役だったとして


回答者はジョンになりきって、質問者の前で自己紹介します。
質問者は、ジョンに人物像についての質問をします。
(今の仕事は?とか昨日何食べた?とか。ジョンのプロフィールについての質問)
ジョンは質問者の質問に、ひたすら答えて行きます。自分のことなんだから何を聞かれても答えられるはずです。

ある程度質問が尽きたら、今度はジョンに心境についての質問をします。
(メアリーのことどう思う?とか自分の中で一番大切なものはなに?とか。ジョンの感情についての質問)
ジョンは質問者の質問にひたすら答えていきます。心境は答えるまでに時間がかかってもいいです。わからないときはわからない。でも大丈夫。


やってみるととても難しい事がわかります。どんどん矛盾点が出てくるでしょう。
矛盾点がなくなる。もしくはしっくり来るまでなんども繰り返しましょう。

そうすると、ジョンという人物が回答者の中にできてくると思います。
ジョンがジョンとして舞台に出てきて喋るんですから、違和感を持つ必要はありません。

あとは、「1.自分の言葉にする」とやる事は同じです。
「俺ならどうする」を「ジョンならどうする」にかえて考えて見ましょう。

納得できる答えさえ見つかれば、もう棒読みになったりうそ臭い演技になったりする事は無くなるはずです。

 

しかし、最後にもう一つ問題があります。
それは、自分の思っている演技が正しく伝わっていない可能性がある。ということです。

自分は「悲しい」という感情でやってるのに、見てる人には「楽しそう」に映ってしまったら。
その演技では伝わらないという事になります。

そうならないように、演出家が必要なんです。役者の意図と見え方がマッチしているかどうか。
これは自分以外の誰かにチェックしてもらいましょう。

一人では出来ない作業ですのでこればっかりは、劇団や養成所に入ってみてもらうしかないでしょう。
そこまでしてしまったら、本格的に役者になってしまいますが・・・。

そこまでいくと今度は演技のもっと深いところにはまってしまう事になります。
その話はまたいつか。

 

ということで、うそ臭い演技を改善する方法についてでした!

演劇を始めた頃はほとんどみんな棒読みです。
それぞれで努力して魅力的な演技を身につけていきます。

今回紹介した方法はほんの一例です。
いろんな方法を学び、実践してみてください。

最終的に一番良いのは場数いっぱい踏むことなんですけどね
へへ!

最後まで読んでくださってありがとうございました。
お芝居がんばってください!