【チェックシート有り】即興劇のスキルを上げるには?【即興に必要な5つの能力】

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うそ臭い演技を改善したい人

即興劇のスキルを上げたい人
「即興劇のスキルを上げたいです。どういう練習をしたら即興劇のスキルってあがるんでしょうか。アドリブの発想力以外に必要な能力ってあるんでしょうか?いまよりもっと即興劇が上手くなりたいので、良い方法を教えてください」

という疑問にお答えします。

はじめに

即興劇とは

「台本無し。限られたテーマや時間の中で物語をその場で作るパフォーマンス」

即興劇といえば、たとえば余興などでショーの中のコーナーとして行われていますよね。
曲や芝居の中に即興を入れ込むという手法もよく目にします。

今回のテーマはその即興劇。

ショーのなかの1コーナーや曲の合間のアドリブではなく、
即興劇というジャンルについてです。

即興劇の世界では「インプロ」とも呼ばれています。
「インプロ」という用語についてはこちらをご覧ください。
「【即興劇あるある】エチュードとインプロの違いって何?【練習と本番の違い】」

即興劇あるある「エチュードとインプロの違いって何?

さて、その即興劇ですが、やってみると非常に楽しい。
まず台本を覚えなくて良いですから誰でも出来ます。

誰でも簡単に物語に入り込む事ができる。
別の人を演じたり、自分自身を演じるでも良い。

見てるほうはその場で作られていくリアルな演劇を楽しむ事ができます。
演じてる方は自分が物語を作っていく快感を味わう事ができるでしょう。

そんな即興劇を、もっと上手に演じるにはどうしたらいいんでしょうか。

ただ自分が楽しむでも十分良いんですが、もう一歩先
「お客さんを楽しませる」にはどうしたらいいんでしょう。

今回は中級編ということで、即興劇に必要な5つの能力と、そのトレーニング方をご紹介します。
先にチェックシートがほしい方はコチラからダウンロードしてください。

使い方は「即興劇パラメータチェックシート」の章でご説明します。


即興劇の定義

冒頭で即興劇とは
「台本無し。限られたテーマや時間の中で物語をその場で作るパフォーマンス」
だとご紹介しました。

しかし、厳密にはそうとも言い切れません。
まず、台本があっても即興劇にはなります。
たとえば

おばあさんが川でモモを拾った
モモから男の子が生まれた
男の子は鬼退治に出かけた
無事鬼を成敗して帰ってきた

というト書きだけの台本があったとして
これを元に即興劇をしてください。と言われたら?

できると思います。あらすじは台本にしたがって、本編は即興で作る。
これも立派な即興劇です。

他にも、テーマだけがある即興劇や
キーワードが決まっている即興劇
制限時間や禁止ワードなど、制限があるものなど・・・。

色々ありますが、どれも即興劇として成立します。
即興劇の定義ってもっとシンプルなんです。

つまり、

「アドリブが主な演劇」=即興劇

なんです。
劇のうち51%以上がアドリブならそれはもう即興劇ということになります。

なぜこんな話を先にしたかと言うと
これが即興劇を上達させる大きなカギとなるんです。

定義が分かれば、それさえ崩さなければあとは何をやっても良いんです。
たとえば、

  • 即興劇の中で使う台詞をあらかじめいくつか決めておく。
  • 相手がこう来たらこう切り返す。という自分の中でのルールを決めておく。
  • 思いつかないときはお客さんに台詞を言わせる。

こんな事をしても即興劇は成立するんです。アドリブがメインでさえあれば。
もちろん何も決めずに100%アドリブ芝居でもいいんですが、サブの要素がカッチリ決まっていても良いんです。

即興劇は自由です。ですが、こうも考えられます。

まっさらなところから物語を展開させるより、
汎用性の高い独自ルールを作っておいた方が、面白く転ぶのではないか。

即興劇には2種類あります。

  • 練習として行う即興劇。エチュード
  • お客さんの前で披露する即興劇。インプロ

エチュードの場合はいろんな可能性を探す稽古ですから、あえて何も用意せずに当たる方が良いかもしれません。
しかし、即興劇をパフォーマンス(インプロ)として行うなら、ある程度役者同士で決まりを作っていた方が稽古の成果は出せますよね。

中には「即興劇なのに裏でルール作るなんてズルイ。フェアじゃない」
と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、即興劇の定義は「アドリブが主な演劇」です。

ルールを決めちゃいけないなんてルールはありません。
半分以上アドリブなら、残りの49%が決まりごとでも成立するんです。

そう考えると、即興劇はなにも、発想力や言葉のセンスだけで成り立っているわけではない。
という事がなんとなく分かります。

では発想力やセンス以外に必要なものがあるとして、それは何でしょう。
次では、即興劇に必要な5つの能力と、そのトレーニング方をご紹介します。


即興劇に必要な5つの能力

即興劇に必要な5つの能力

一口に即興劇といってもルールや劇団のスタイルなどによって色々あります。
物語を作るものもあれば、コントだったり、漫才だったり

劇からすこし離れてみると、即興ダンス。即興ラップ。即興落語など。
スタイルは様々です。

今回はその中でも基本的な即興劇の5つの能力をご紹介します。


ボキャブラリ

言葉は知っていて損はありません。
同じ意味の言葉でもシチュエーションや音の響きで変えられるとよりその場に合った秀逸な台詞が言えるでしょう。

ボキャブラリ 練習方法

読書する。分からない単語を辞書やスマホで調べる癖をつける。
自分の知らない分野の勉強をする。いろんな人と会話する。

とにかく多くの言葉に触れると良いでしょう。
人と会話するときは、言い回しや言葉の違いを気にかけてみてください。
海外からの留学生たちと話すと意外な言葉使いを聞けておもしろいですよ。


テンポ

朗読のときに最も大事だと解説した「間」などもこれに含まれます。笑いで一番大切なのは「間」だとよく芸人さんたちが言いますよね。
テクニカルなことを言えば話している相手のテンポに合わせると、会話がより自然に、スムーズに聞こえます。

テンポ練習法

好きな役者の間や息遣いを真似る。100%コピーしなくても良いですから、自分があこがれている部分、良いな!と思う部分を真似てみてください。
共演する役者と同じ作業をしながら台詞あわせをする。たとえば同じ歩幅で歩きながらとか、アルプス一万尺でもいいでしょう。テンポを共有できさえすればOKです。

テンポや呼吸など、波長がそろえば、役者たちは同じ方を向いて物語を展開させる事ができるでしょう。
俗に言う「息が合う」「馬が合う」と言った状態です。

波長を、意図的に合わせられるようになれば即興劇だけでなく普段の演劇にも活かせます。


動き

即興劇で難しいのは動きが決まっていないという事。物語を追う事に集中しすぎると、つい座ったままになってしまったり。
前方にいる役者と立ち位置が被ってしまったりします。無意識でもポジションを取れるように動きやすい体と空間把握能力を養いましょう。

動き練習法

複数人で一定のエリア内を歩き回ります。この時、なるべく固まらないようにします。つまり

悪い例。四角はエリア。オレンジは人だと思ってください。

こうならないように
なるべく部屋全体に人がバランスよく居る状態を維持しながら歩き回ります。

良い例。エリア内の空いている空間を埋めるイメージ。

止まってはいけません。
空いている空間を探して埋めるトレーニングです。

即興劇では舞台上で様々な事が起こります。
それらを同時に処理していかなければなりません。演劇はマルチタスクです。

しかし、意識していないとすぐに何かがおざなりになります。
そうならないためにも、必要な動作や基本的な処理は無意識のうちに出来るようになっておきましょう。

空間把握とポジション取りは無意識で出来るようになるまで練習してください。


理解力

以前、役者で一番大切なのは読解力だという記事を書きました。
【演技向上】役者の演技力を鍛えるには【読解力】

役者の演技力を鍛える読解力

読解とは、台本を理解する。つまり理解力です。
即興劇でも同じ事です。相手のやりたい事を理解しサポートする。そこに自分のやりたい事を加える。

そうすることで物語がドンドン展開していくのです。

理解力練習法

とにかく相手を見てください。「相手を王様だと思ってください」
相手が何をしたいかを優先して考えると少しづつ理解できるようになっていきます。
一番良い練習法は即興劇です。即興劇をして、終わった後にディスカッションしましょう。

「なぜこう切り替えしたのか」「どうしてそう動いたのか」など、自分の理解した内容の答えあわせをしましょう。
それを繰り返します。

相手を理解する方法の一つとして、テンポをあわせる。というのも効果的です。練習法は前述のテンポの項目を参考にしてください。
テンポと理解力はとても似ていますので合わせて稽古してみてください。


発想力

即興劇がどう展開するかは役者の発想力にかかっています。
発想力は知識と経験と少しのセンスで出来ていると僕は思っています。

何もないところから発想するのか、何かから着想を得るのかはその時々で違うでしょう。
しかし大体の場合、何かを絡めてアイデアを出します。

テーマが「宇宙」だとしたら
「宇宙旅行に来たサッカー選手。無回転シュート打ち放題」とか

テーマ「宇宙」でお客さんに役者志望の方が多いなら
「宇宙公演。客席が固定できずやむなく中止」とか

なにかきっかけになるものを基準に発想していくと今までにないモノが自然と出来上がってきます。

発想力練習法

これも即興劇が一番良い練習法でしょう。アイデアをどんどん出して物語を進めて行きます。
そのあとのディスカッションも忘れずに。

連想ゲームも良い練習になります。マジカルバナナとか。
単語は何でも良いのでとにかく続ける事です。

これら5つの能力は即興劇だけでなく演劇の上でも非常に大切な能力です。
その上でたとえば、ボキャブラリが豊富なら会話劇を得意分野にしよう。
とか、動きが多彩なら殺陣やリアクションを即興劇に入れ込んでみる。
テンポ抜群な人は即興ラップなど。
自分の得意分野を探してみてください。


即興劇パラメータチェックシート

これまでで、即興劇にはどういう能力が必要なのか分かったと思います。
今度は自分がどの能力に強いのか弱いのかチェックしてみましょう。

オリジナルのチェックシートを作りました。

まずはを自己採点でチェックしてみましょう。
ちなみに僕はこんな感じ

ボキャブラリはそんなにないかも。ブログを書いてて同じ言い回しが多いな・・・。と読み返して思います。発想力はあるほうなのでは?などなど。自己採点してみましょう。

その後他の人から評価してもらうとより正確なパラメータと
自分が何を伸ばしたら良いのかが分かるでしょう

チェックシートのPDFはこちらからダウンロードしてください。

即興劇能力チェックシート使い方

まず左上「自己評価」を自分でつけます。
だれのチェックシートかわかるように「評価対象者」を記入します。

即興劇終了後、観客もしくは他演者に「他己評価」をつけてもらいます。
この時「自己評価」を相手に見せたくない場合(先入観なく記入してもらう等)は、「折り曲げ線」で紙を折って隠します。

最後に他己評価の平均を出して右上「他己評価平均」を記入します。
評価点合計÷評価人数=平均

自己評価と見比べて、自分を客観的に見直します。
それぞれ弱点を克服。または長所を強化しましょう。


まとめ

即興劇は「アドリブが主な演劇」である。
アドリブがメインならルールや決まりごとを決めても良い。

即興劇に必要な5つの能力

  • ボキャブラリ
  • テンポ
  • 動き
  • 理解力
  • 想像力

チェックシートで自分の長所短所を知ろう。

さぁ、まずはやってみましょう。
劇団内でも、学校の友達同士でも、イベント告知サイトなどから自分でイベントを開催してもいいんでしょう。

きっと今より即興劇が楽しくなります。
最後まで読んでくださってありがとうございました。

お芝居がんばってください!