【劇団向け】正しいチケット代の決め方【必ずタメになる】

うそ臭い演技を改善したい人

公演のチケット料金を決めたい人
「公演のチケット料金(席料)を決めたい。周りの同規模の劇団に合わせる。特にコレと言った理由がないからとりあえず1000円。それじゃダメなの?やってはいけないチケット料金 の決め方ってなに?教えてください」

という疑問にお答えします。

はじめに

この記事を読めば、チケット料金の正しい決め方が分かります
正しい料金とは、劇団が運営できる額である事。

そして、お客さんが納得できる額である事。
これをクリアできる金額でなければいけません。

なぜそう言い切れるのか。
これから1分でご説明します。

ある体験談

昔、50年以上続いている劇団が主催する、市民参加の演劇を3000円払って観にいった事があります。
演劇のチケットの相場が分からない人の為に、比較として宝塚歌劇団のチケット料金を例にみてみましょう。

宝塚歌劇のチケットの料金は席によって異なります。
舞台に最も近いSS席は12000円
その次に舞台に近い席、S席は8300円

かなりのお値段です。しかし、舞台からすこし遠くなりますがB席になると
一般公演では3500円
さらに、新人さんが出演する新人公演というのがあるんですが、
それは2500円なんだそうです。

話は戻りますが、市民参加の演劇を3000円払って観にいった事があります。
参加者のがんばりがヒシヒシと伝わってくる演劇でした。

皆台詞をしっかり覚え、あまり噛まず、言い間違えも殆どありませんでした。
とてもすばらしかったです。でも3000円は高すぎます

3000円が劇団を運営していくのに必要な額なんでしょう。
現にその劇団はそれで50年以上続いています。これはすごい事です。

しかしクオリティは、金額に見合っていなかった。

それから年月は経ち、正直、その演劇がもうどんな内容の芝居だったか。今となっては殆ど覚えていません。
しかし、今現在僕はその演劇に対してこんな感想を抱いています。

公演の出演者もストーリーも殆ど覚えていないが
「3000円を支払ってがっかりした事」だけはしっかり記憶に残っている。

そうなんです。
これがもし、チケット代300円だったら、ストーリーがどうだったかすっかり忘れて、
誰かに誘われたらまたチケットを買っているでしょう。だって内容と値段が見合っているから。

しかし事実は、内容は忘れましたが3000円に見合わなかったという記憶ははっきり残っています。
次回誘われても何か理由をつけて断るでしょう。

人は「損をしたという感情は深く残る」んです。

人間の脳はポジティブな記憶よりネガティブな記憶の方が残りやすい仕組みになっています。
それは生存本能の一つで、「これは危ないぞ。前にもこんな事があったぞ!」と、
過去に損をした経験を、生きる為の知恵として脳に強く記憶するから。

だから「3000円損したぞ!」というマイナスな記憶はお客さんの記憶に強く残ります。
どんなに斬新なストーリーよりも深く。

そうなってしまったお客さんが、次回公演、その次の公演を観に来るでしょうか?
そしてもし、お客さんが「演劇=損をする」という考えにいたってしまったら?

さぁ、ここまで読んで、まだ適当にチケット代を決めますか?
それとも、正しいチケット代の決め方を知りたいですか?

答えはすべてこの記事に書いています。
大丈夫。この記事は5分で全て読めます。

チケット料金の決め方

答えだけ先にお伝えします。
この式を覚えておいてください。

支出÷集客数=料金≦クオリティ

冒頭で記したとおり、正しい料金とは

  • 劇団が運営できる額
  • お客さんが納得できる額

この二つがクリアできた状態。
市民参加の演劇を作っている劇団は50年以上演劇を続けていますから
「劇団が運営できる額」はクリアしているんでしょう。

でも、それだけじゃダメだという事は
もうみなさん気付いていますよね。

この二つについて詳しく説明しましょう。

劇団が運営できる額

公演にはお金がかかります。
劇場の使用料、小道具、衣装、裏方スタッフを雇うなら報酬も必要です。
もろもろ含めて10万円だったとしましょう。

一回の公演で10万円売り上げなければいけません。

次に集客数を予想します。
前回の公演で何人来たか、他劇団はどれくらい人を呼んでいるか。
大体で予想を立てます。50人来るとしましょう。

100,000円÷50人=2,000円

つまり、【支出÷集客数=料金】
という式になります。

これで劇団は赤字にならず継続できます。
しかし。

ここまではどの劇団でも分かっている事。
当たり前ですよね。自分のお財布事情ですから。

しかし、先述のとおり
これだけでは劇団を続けていくことは出来ません。

クオリティが伴っていないとお客さんは二度と来ません。

付き合いで来てくれる人はいるでしょう。
チケットだけ買ってくれる人とか。

でも、そういう人たちに甘えていたら、純粋なお客さんはどんどん離れていきます。
しかもそれだけじゃない。

もし、あなたの公演をみて損したと感じたお客さんが
「演劇を観たら損をする」という考えに至ったら。

その人はもう二度と演劇を観なくなってしまうかもしれません。

そうなってしまったら、演劇を観るお客さんはどんどん減って
最後は客席に劇団の身内か知り合いしか座ってくれなくなります。

そうならないために、クオリティが必要なのです。

お客さんが納得できる額

納得できる金額というのは正直人それぞれです。
お客さんの好みもありますし、好きな役者が出るなら10万出しても観るというお客さんも居ます。

自分たちの演劇がいくらに相当するのか
設定したチケット代に見合うものが作れるか。

よく考えましょう。最後には自分の物差しで計るしかないんですから。
それはつまりこういうことになります。

【支出÷集客数=料金=クオリティ】

この図式が成立すれば、お客さんは損をしたとは思わないでしょう。
しかし、これでもまだ未完成。

料金=クオリティではまだ甘い。
そこを超えていきましょう。

つまり【支出÷集客数=料金<クオリティ】

の図式を成立させる事。
「思ったより面白かった」「想像以上だった」とお客さんに思わせて初めて
その公演は成功と言えるんじゃないでしょうか。

難しい事はありません。演劇に真摯に向き合えばクオリティは必ずあがります。
僕は演劇を作るとき、常にこう思っています。

「自分が世界一演劇が上手い・・・そんな訳はない。
僕よりすばらしい演出家・役者はいっぱいいる。

だとしたら、今僕が最高だと思っている芝居も、まだ上がある。
もっともっと先がある。だから、考え続けよう

いろんなことを試すと時には
「あれ?前の方がよかったんじゃ?」という事もあるでしょう。

しかし、長い目で見ればきっと前に進んでいるはずです。
どうか演劇に対して誠実でいてください。


最後に

ココまで読んで、中にはこういう考えを持った方も居るでしょう。
「うちのクオリティは500円くらいだから、料金は400円にしよう」

それで良いなら良いんです。あなたたちの劇団ですから。
あなたがしたいようにすると良い。

しかし、言わせてもらえるなら、僕はあえて800円で芝居を打ってほしい。
そして1000円のクオリティを目指しましょう。

料金は劇団の覚悟です。この金額に見合う、もしくはそれ以上の作品を作ってやるんだ!
という気持ちで舞台を作ってみてください。

その繰り返しだけが、演劇を面白くします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
お芝居、がんばってください!